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シバカッシ―誕生の秘密
生徒にも先生にも圧倒的人気を誇るシバカッシ―。そのかわいらしさから、学校の授業で生徒が発表する際のスライドに使われたり、テスト問題の表紙にシバカッシ―の画像が使われたりもしています。
そんなシバカッシ―の、芝柏に密かに伝わる誕生の物語、特別にお話しましょう。
それじゃあスタートカッシー!
今から何十年も前のこと、それは雪の降った寒い日のことでした。凍える寒さを吹き飛ばしてくれるほどにぎやかに、芝柏の生徒たちがバスに乗って帰途につき、先生方も家に帰り始めたころ、隣にある増尾城址公園では、ひとりのおじいさんが犬の散歩をしていました。暖かそうなコートに身を包み、足元の氷に気を付けながらゆっくり歩いています。手には犬の手綱と柏餅を持っていました。季節外れの柏餅を持っているのには実は訳がありました。
ここに来る前、おじいさんは芝柏の前を通りました。すると一人の芝柏少年が悲しそうな顔をして柏餅を食べているではありませんか。やさしいおじいさんは、たまらなくなって声を掛けました。
「僕、どうしたんだい」
「・・・」
「そんな悲しい顔して柏餅を食べてもおいしくないだろう。どれひとつ、おじさんに話してごらん。」
少年は、おじいさんのそんなやさしい声を聴くと不思議と気分が安らいでくることに気が付きました。そして、ぽつぽつと事の次第を話し始めました。
それによれば、どうも少年は学校の友達と、その友達が考えたキャラクターをめぐって喧嘩をして、二日後までにオリジナルキャラクターを考えてこなければ絶交だといわれてしまったそうなのです。少年はその友達と仲直りをするために、キャラクターを考えていましたが一向に思い浮かばず悩んでいるところだったのです。
「そりゃ、こまったねえ」と親身に考えてくれるおじいさんに少年は憂鬱そうに言いました。
「僕は、どうすればいいんでしょうか」
おじいさんはしばらく考えて、こういいました。
「創造性と個性を発揮しようとしてごらんなさい。そうすればきっといいものができるよ。」
「ソウゾウセイとコセイノハッキですか…」
少年は、優しそうなおじいさんから放たれたむずかしい答えに戸惑いました。 「がんばってみます」
その後も少し二人は話をして、おじいさんは少年に勇気を持ってもらおうと優しい言葉をたくさんかけました。
「なんだか僕、できそうな気がしてきました。頑張って友達と仲直りしてみます!」
少年は別れ際、お礼代わりに持っていた柏餅を一つくれました。
公園の道を歩きながら、あの少年が友達と仲直りできればいいなとおじさんは考えました。
「大丈夫、きっとあの子ならできる。そう思わんかね」と犬に声をかけると、突然その犬はワンと吠えて走り出してしまいました。手綱に引っ張られたおじいさんは氷に足を滑らして転んでしまったのです。その時、柏餅はおじいさんの手を離れ森の中に消えてしまいました。
「しまった、せっかくあの子からもらったのに」
しかし、あたりは真っ暗で、とても探せたものではありません。おじいさんは仕方なく、犬をつかまえて家に帰りました。
おじいさんが去ってすこしたったころ、柏餅が光り始めました。餅を破って、それと同じくらいの大きさの頭らしきものが、手と足が生えてきました。そのかわいらしい生命体はゆっくり立ち上がると、近くにあったちょうどいい大きさの葉を背中に貼り付け、葉っぱをおでことおなかにはりました。
「おじいさん、そのあたたかい思いやり、僕が引き継ぐカッシよ」
翌日、少年は重い足取りで学校に向かいました。なにも思いつかなかったのです。今日思いつかなかったら絶交です。放課後、気晴らしに城址公園を散歩していると、道端の草むらから背中に体と同じくらいの大きさの葉っぱを背負った生き物らしきものがでてきて言いました。
「少年、ぼくを書くカッシー」
「・・・」
「オリジナルキャラクタを考えているカシよね。僕を書くカッシー」
少年は、突然のことに呆然としました。しかし、そんななかでも一つ感じたことがあります。この生物から、昨日会ったおじいさんと似た、相手を安心させるやさしさを感じることができたのです。だから、なんとか聞くことができたのかもしれません。
「キミは、だれ?」
「僕は、シバカッシ―!柏餅の妖精カッシー!」
「妖精?悪いけど、そんなのは、信じられないよ。妖精、なんて非科学的な存在、いるはず、ないもの」
少年は予想外のことに驚きながら答えます。
「目の前でおきてることは信じなきゃダメカシよ。現実を受け入れるカッシー!」
シバカッシ―と名乗る妖精は答えを知っていたかのようにすらすらと答えます。
「僕は、夢を見ているのかな」
少年は自分の頬をつねってみました
「夢じゃないカッシー。とにかく、僕を書いて友達に見せるカッシ―!そして友達と仲直りするカッシー!」
「なんで、知ってるの」
少年は唖然として聞きました。
シバカッシ―は、自分がおじいさんの柏餅からうまれたのだということ、そしておじいさんの少年へのあたたかな思いを引き継いで、今こうして少年を手伝おうとしているのだと言いました。
「だから、僕を書くカッシー」
「でも僕、絵下手だし…」
「しょうがないカシね。はいこれ」
そういって、シバカッシ―は一枚の絵を渡しました。
「これ…」
割れ物を触るように丁寧に、しかししっかりとその絵を受け取りました
「シバカッシ―カッシよ」
「いいの?ほんとに」
少年は恐る恐る言いました。
「最初からそう言ってるカッシ」
「ありがとう!これで仲直りできるよ!」
少年は泣きそうになりながらさせながら言いました。
翌日、芝柏のカフェテリアの一角で、二人の少年が一枚の絵を見ながら楽しそうに談笑していました。
この日を境に、背中にはっぱを背負い語尾に「カッシー」とつける生き物の目撃情報が時々聞かれるようになりました。シバカッシ―は今もどこかで芝柏生を見守ってくれているのです。
芝柏の生徒はみんな大好きカッシー!!